なないろの虹(BTS空想小説別館)

オルペン&アミペンなARMYです。空想小説を書かせてもらっています。

いつか、私はいなくなるから……

f:id:mcbeel73:20231207122000j:image

1

「悪性腫瘍?」


「そう、悪性……

……それも結構ステージも進んでる。」


「……つまりは?」


「……今夜、シオンと一緒に話そう?

今後の治療方針。」


「オッパに言うの?

……私、死ぬかもしれないって?

……無理だよ。そんなこと言ったら、オッパ……」


目の前の女医さんは、オンニでもあった。

もうすぐ、オッパと籍を入れる。

ふっくらとしてきたお腹。


2人の幸せを、私の病気で台無しになんてしたくない。


「……黙っているなんて、私にはできないよ。

セヒョンちゃん。」


「……」


「……今夜あけておいてね。

セヒョンちゃん、逃げないでね。お願いだから……」


心配そうな目。

悲しそうな。

 

数ヶ月前から感じていた体調不良。

胸に感じた違和感。

指が触れるとしこりがあった。


すぐに消えるだろうと、そう思って気にしない振りをしていた。


だけど数日前、たまたまバックハグしてきたオンニの指にそれが触れて、半ば引きずられながら、病院の検査を受けた。


……そして、このザマである。


「……ハア。」

お腹を擦りながら、大きなため息を着くオンニ。


オッパにどう話そうか、どう切り出そうか、きっとそんなふうに考えているに違いなかった。


もうすぐ結婚することに浮かれているオッパに、爆弾を投下するようなものだ。


「……それで?


私、あとどれくらい生きられるの?」